高橋先生のブログ

重複子宮の方の出産。あきらめずによくがんばられました。

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先日、重複子宮の方の出産報告が届きました。

重複子宮とは、子宮が左右に分かれて2つあるのです。実際には、ミューラー管という細い2本の管の中央がくっついて子宮になり、残りの部分がそのまま卵管になるので、「分かれている」のではなく、「中央がくっつかなかった」のですね。このような方は、不妊症ではおよそ1%程度にみられます。

30代後半のこの方に、体外受精をおこない、2回は化学的妊娠、2回は陰性、5回目の胚移植(凍結胚4回目)で妊娠されて卒業。

妊娠中は、妊娠糖尿病もあり、羊水も減少した胎盤機能不全の診断で、妊娠20週中頃での帝王切開で出産されました。ギリギリの未熟児での出産ですが母児共に順調とのことです。よく頑張られました。良かったですね~。

重複子宮、単角子宮、中隔子宮などは、不妊症の原因にはなりませんが、習慣流産の原因にはなるのです。これらの子宮奇形では、半数が流産になります。しかし、半数は出産できるのですから、このような場合でもあきらめずにがんばって良いのですね。なお、中隔子宮では手術をしばしばおこないますが、重複子宮や単角子宮は手術の対象にはなりません。

お子様の健やかな成長をお祈り致します。このような知らせは非常にうれしいものです。私もまたがんばれます。