高橋先生のブログ

子宮内腔癒着(着床障害)処理後の体外受精での妊娠例

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今回、子宮内腔癒着剥離術後に、最初の体外受精で妊娠、卒業された方がいらしたので、ご紹介致します。42才

この方は、都内の有名クリニックで、7回採卵、1回目の胚移植で妊娠するも、流産となりました。

このクリニックでは7回の採卵、4回の胚移植をおこなうも、1回目の流産以降は妊娠せず。

埼玉の2つめのクリニックでは、4回の採卵、3回の胚移植をするも、妊娠しませんでした。

これらは、クロミッド、レトロゾールのみの使用で、1~3個の採卵でした。5回の採卵で、胚移植キャンセルとなっていました。

その後、当クリニック受診されましたので、検査を再検討しました、HSGでは正常。しかし、子宮鏡検査では、写真のように、子宮内腔中央に癒着索を認めました。検査時に幸いにもこの癒着は剥離できたのです。

当クリニックでは、サプリメントとして高濃度総合ビタミンのアシストワン、DHEAを使用しながら、HMG-アンタゴニスト法で誘発し5個採卵、スプリット法で3個受精し、2個の新鮮初期胚移植を施行し妊娠、卒業されました。余剰胚は胚盤胞1個凍結。

今回の子宮内腔癒着は、1回目の妊娠時の流産手術でおこった可能性が高いと思います。

最近は、着床障害が注目されていますが、このように、子宮鏡を受けて、子宮内腔に問題ないことを確認することが、まずは最も重要な基本的検査となります。

また、採卵数が多ければそれだけ胚移植のキャンセルが少なく、今回1回の採卵で2個の胚移植と、凍結胚盤胞も得られました。

1)反復不成功には、子宮鏡検査は重要な検査の一つです。

2)採卵数が多く得られるならば、胚移植のキャンセルは少なくなります。

皆さんのご参考になれば幸いです。