高橋先生のブログ

40kg以上の減量で妊娠した例

今夜は台風のような強風が吹いています。皆さん、ご無事でお過ごしでしょうか。
さて、
先日、7回目の採卵(すべて顕微授精)で、ようやく妊娠された方がいらっしゃいました。
アラ4の方ですが、
1回目はHMG注射で排卵誘発するも1個採卵するも、未熟卵のため顕微授精もできず。
2回目はHMG注射で2個採卵するも、正常受精なし。
3回目は5個採卵できるも受精せず。
4回目、5回目は採卵できず。
6回目に8個採卵でき2個移植し妊娠するも7週で流産。
7回目に1個採卵で、顕微授精で受精・胚移植し妊娠し胎児心拍も認めました。
この方は、当初はBMIが30を超える高度肥満で、当初は卵子の状態も不良でしたが、非常に前向きの姿勢の方であり、40kgを超える減量をおこない、それに伴い、卵子の反応と状態が改善したと考えられた方です。
一般的に、体重の増加に伴い、妊娠率は低下し流産率は上昇します。やはり、体重管理の重要性をうかがわせる例でした。
体重も妊娠には重要な因子だと考えられています。この方のようにしっかりとした減量ができれば問題ないのですが、なかなかここまでの減量は難しいでしょう。そのような場合には、糖代謝改善薬のメトホルミンなども積極的に使用しては如何でしょうか。
また、当初は全く受精しなかったり、採卵すらできない経過でしたが、諦めずに努力・減量することで妊娠まで到達した例は、皆さんへの励みにもなると思います。皆さんも参考になさってみて下さい。
今後も、この方のような例をご紹介して参ります。