高橋先生のブログ

卵子の取材と高橋の万端?な準備

先日、某国営放送のディレクターが取材に当クリニックに来院しました。内容は、「クローズアップ来年?」での不妊症での卵子について、もう少し深く切り込んで続編を作りたいとのことでした。
「取材」の連絡を頂いたときに、全国の視聴者の皆様にくたびれた恥ずかしい姿は見せられないと考えた私は、前日には整髪店に行き、髪から眉毛・鼻毛の手入れにはじまり、雑然とした診察室の机周りの物品の待避(整頓とはとても言えない状態)、何がおきても大丈夫なように下着も新調(何を想定しているのか全く意味不明)し、準備万端で撮影隊を待ったのでした。妻も夫の髪が乱れてもすぐに直せるように、櫛・ジェル、あぶらとり紙、などを携えて、控え室に陣取っておりました。クリニックのスタッフも撮影に備えて残ってくれています。準備はOKです。
さて、某国営放送のディレクターが着いたとの受付からの知らせに、落ち着いてゆっくりと診察室を出てスタッフを出迎えました。胸の中ではあたかもドラマのように大きく手を広げながらの歓迎のポーズで、、、

待合室に行くと、1人の男性が椅子に座っていました。彼こそ天下の某国営放送のディレクターなのです。撮影スタッフはまだ着いていないようで、器材を搬入している最中なのでしょう。私は名刺交換をして、まずはディレクターを診察室に招き入れました。挨拶をして、どのような「取材」かをあらためて伺い、どこからインタビューと撮影を始めれば良いか、頭の中で計算しながら、話の内容を組み立て始めました。撮影は斜め横からが良いだろう、カメラ目線は不自然になってしまうから、カメラは見ないようにしなければ、などと考えながら、、、、、
ディレクターの話はノートを広げてメモをしながらどんどん進む。ビジュアル系はどうなっているのだ!肝心なところが終わってしまうではないか! どうもおかしい!!いっこうに撮影スタッフが入ってくる様子がない。
ディレクターの話が進むにつれて、ハイテンションだった気持ちの高揚が、徐々にではなく、一気に冷めていく自分に気づきながら、話は進んでいくのでした。

その通りです。ディレクターは「取材」の申し入れであり、「撮影」の申し入れではなかったのです。
これに気づいたのは、私だけではありません。スタッフからもこの状況を見て、気怠く「もう帰っていいですか」と言われ、「後ろからの妻からの何とも言えない視線」を感じながら、取材は終了したのでした。
その夜の脱力感は、いかばかりのものか。風呂からもすぐには出られない。その為か?インフルエンザも下火になっているのに、本日は微熱と倦怠感を感じながら、「またやっちまった~」と自己嫌悪の53才なのです。

なお、このストーリーは、事実を元にしたフィクションであり、登場人物は現実とは全く関係ありません。(つまりどうゆうこと?)