高橋先生のブログ

AMH 0.1未満での妊娠例

3週間のお休みでした。毎日の診療に忙しく、ご紹介が疎かになり、ご期待?に沿えずに申し訳ありません。
今回は、AMH<0.1、FSH:55.84とほとんど閉経に近い方の妊娠例をご紹介致します。
41歳の方で、妊娠歴なし。生理不順で、FSH注射での卵胞発育も認めませんでした。2~3か月に1回程度排卵を認めていましたが、卵胞は2cm前に排卵してしまいます。
採卵を10回試みて、採卵できたのは6回、移植できたのは3回目で妊娠しました。
このときの排卵誘発はなく、プレマリンを使用しての自然周期で、採卵3日前の卵胞は14X13mmの1個、内膜6.3mmでした。
このように、AMH<0.1で、FSHが高い方には、排卵誘発剤はほとんど効果ありません。プレマリンを使用して、上昇したFSHを下げて卵巣を休ませつつ自然の排卵発育を待って、体外受精をすることで妊娠する例がしばしばあります。
全く生理がなく閉経状態では難しいとは思いますが、卵巣機能が低下している場合でも、まれにでも排卵している場合には、よく観察して少ないチャンスを見つけて挑戦する意義はあると思います。同じような方に、ご参考になれば幸いです。