高橋先生のブログ

46歳、AMH0.1未満、体外受精での妊娠経過報告、記録更新の期待

先日、AMH<0.1、採卵挑戦12回目、胚移植5回目の方が、46歳で妊娠反応が出たことをご報告しましたが、現在妊娠6週で胎児心拍が認められました。
出産時は46歳であり、出産となれば当クリニックの記録更新になります。出産まではまだまだ長い道のりで、様々な困難があると思いますが、今後も順調に経過して元気のお子さんが誕生されることを心よりお祈りしています。(ここまで来ますと、産婦人科医も祈りの世界なのです)

今回はクロミフェンーHMGの体外受精で、3個採卵1個のみ正常受精、1個胚移植(2日目の初期胚移植)でした。過去には自然周期で2回、クロミフェン単独周期で3回のキャンセルなどがあり、今回は5回目の胚移植でした。
先日、他院で「AMH<0.1だから妊娠は無理と言われた」との相談がありましたが、このブログを見ている方は、AMH<0.1でも少なからぬ方が妊娠されているのはご存じだと思います。AMHのみを信奉する必要はありませんね。
人間の体は「すべて同じ、いつも同じ」ではありません。医療現場では、検査結果で割り切れないことはしばしばあるのです。人間の体が検査結果通りならば我々も悩みません。今回の方の妊娠は大きな希望をもたらす事です。一方、皆さんには、医療現場の難しさや苦悩もご理解頂きたいと思います。