高橋先生のブログ

単角子宮の妊娠2例

先日、単角子宮の方が、お二人妊娠しました。単角子宮の方の妊娠は、当クリニックでは珍しいことではないのですが、同時期にお二人妊娠したので、印象に残ったのでご紹介致します。
お二人とも35歳超の方です。
Aさん)
前医で20回以上クロミフェンで排卵誘発を受けていました。ヒューナーテストが不良で、人工授精をお勧めしていましたがなかなか踏み切れませんでした。その後、AIHを飛び越えて、体外受精を希望され、2回の採卵を経て、通算5回目の胚移植(凍結胚盤胞移植)で妊娠、妊娠高血圧症候群を乗り越え、帝王切開でお子さんを出産されました。この方は流産を経験せず出産に至っています。
今回、2回目の凍結胚盤胞移植で妊娠されました。まだ妊娠初期であり胎児心拍は認めていませんが、今後順調に経過することを期待してます。
Bさん)
当クリニックに来院する前に、2回の妊娠がありましたが、1回は妊娠20週前後で流産されていました。単角子宮の場合、やはり通常よりも流早産率は高くなってしますのです。この方はすでに人工授精5回、体外受精を1回受けていらっしゃいました。
当クリニックでも体外受精を開始しました。当クリニックでは、凍結胚移植で妊娠するも、初期流産、子宮外妊娠と、思うような良い結果が得られませんでしたが、今回の凍結胚盤胞移植で妊娠され、胎児心拍も認められました。まだ先は長いのですが、無事に経過することを祈るのみです。

今回は、単角子宮の方です。今回はお二人とも体外受精、凍結胚盤胞移植での妊娠ですが、単角子宮でも今回のように妊娠されるのです。単角子宮は手術で何とか出来るものではありませんが、子宮に問題があっても今回の方のように妊娠可能なのです。皆さんもがんばってみて下さい。
ただ、問題は通常よりも、流早産が多くなります。一般的には、単角子宮や双角子宮の流早産率は50%程度とされます。しかし、この数字にめげるのではなく、挑戦してみて下さい。