高橋先生のブログ

ご主人が癌治療前後の状態での顕微授精での妊娠例

最近、ご主人が癌治療前後の方の、顕微授精での妊娠例が数件ありました。
1)お一人は、ご主人が白血病であり、治療前に精子を凍結保存していました。白血病治療後には精子は0で、従来ではお子さんは諦めなければならない状況でしたが、現在ではこのようにお子さんを望めるようになってきたのですね。凍結胚盤胞も複数あるので今後も、追加治療も可能です。
2)もう一組のカップルは、ご主人の癌治療との競争の不妊治療でした。ご主人の癌治療の状態が思わしくなく、精子を凍結保存して、不妊治療を急いでいらっしゃいました。様々な困難な問題もあると思いますが、今後良い経過であることをお祈りしています。
顕微授精は不妊医療の幅を広げてくれる技術ですね。

今後、医学的な適応でない、社会的な理由による卵子の凍結保存(例えば年齢の理由による)が、学会でも許容されるようになる方向で検討が進んでいるようです。一方、制度の整備に伴って、精子の凍結保存も今より厳密な手続きが必要になりそうです。
この手続きがまた明確になりましたらば皆さんにご報告致します。