高橋先生のブログ

卵管水腫切除後の妊娠(前2施設で6回の胚移植の反復不成功後)

前2施設で、4回の採卵、6回の胚移植(胚盤胞移植3回含む)で、妊娠せず、卵管水腫切除後の当クリニック2回目の移植で妊娠卒業された方を紹介致します。
30歳頃の方で、子宮外妊娠で片方の卵管を切除していました。その後、卵管造影検査はしておらず、前2施設で、4回の採卵と6回の胚移植を受けるも妊娠せず、反復不成功として当クリニック来院。
卵管造影検査をしたところ、卵管水腫を認めました。これは超音波検査でも認める重症の卵管水腫と判断し、経過を考慮して、御本人と相談し、他施設で卵管水腫切除をおこないました。
その後、当クリニックで初回の採卵。1個胚移植し、3個胚盤胞凍結。その後、初回の凍結胚盤胞移植で妊娠、卒業されました。
この方の場合、皆さんの参考になると思われる点があります。
1)体外受精であっても、卵管造影検査は受けておくことをお勧め致します。特に今回のように、反復不成功の場合には、是非とも受けておきたい検査だと強くお勧め致します。
2)超音波検査で判るような卵管水腫は重症です。重症の卵管水腫は、体外受精の成績が1/2~1/3に低下します。したがって、超音波検査で判るような卵管水腫は手術も検討された方が良いでしょう。
やはり、体外受精を受けるにしても、1回1回高価な治療法です。単に体外受精を受けるのではなく、しっかりと全体の状態を検査いして、条件を整えて受けることをお勧め致します。