高橋先生のブログ

前医で9回のIVF後の、AMH<0.1での妊娠例

前医ですでに9回の体外受精(胚移植は5回)を受けていた、35才前後の方ですが、当クリニック来院時にはすでにAMH<0.1でした。

当クリニックでは、このような場合には、単に体外受精をするのではなく、卵巣機能を含めてしっかりと検査をしてから対応しています。

この方は、子宮鏡検査で8mm程度の子宮内膜ポリープを複数認めたため、子宮内膜ポリープ切除術をおこないました。着床障害の基本は、子宮鏡で子宮内にポリープや癒着がないかどうかを調べることが最も重要なのですね。

また,DHEAs、ビタミンD、ビタミンCも低く、酸化ストレスもかなりの強度で認めましたので、アシストワンと、DHEAを補充。

主に完全自然周期で採卵を試みました。
完全自然周期なので、卵胞は1~2個、採卵できない事もしばしばありますし、採卵できても受精せずに胚移植できないこともしばしばあります。
この方は、採卵試行6回、2回は採卵できず、採卵できても2回は胚移植できず、胚移植2回目での妊娠でした。現在心拍も認めていますが、今後も順調に経過することを祈るのみです。

卵巣機能が非常に低くても、比較的若い年齢ならば、卵胞さえできれば何とか対策をとれるものです。しかし、単に体外受精をするのではなく、しっかりとした検査もおこなって、条件を少しでも改善して進める方が良いでしょう。