高橋先生のブログ

37才、AMH<0.1での妊娠2例

このところ、AMH<0.1の妊娠例が続きましたのでご報告いたします。

1)HCG注射を必要とした空胞症候群(エンプティフォリクル症候群)
37歳、初回はクロミッド-HMG注射で排卵誘発し、ブセレキュアスプレーで卵子成熟を試みました。卵胞は4個ありましたが、1個も採卵できませんでした。いわゆる空胞症候群(エンプティフォリクル症候群)でした。おそらくブセレキュアスプレーの効果が不十分であった可能性が高いと思います。卵子は、HCGやブセレキュアスプレーでLHサージをおこし、成熟させないと、卵胞を穿刺しても採卵できないですし、採卵できても未熟なのですね。
2回目は自然周期でHCG注射で成熟させました。卵胞は1個で、採卵1個。2日目に移植して妊娠、卒業できたのです。
ビタミンD、DHEAsは低下していたので、アシストワンとDHEAは使用していました。
通常は、スプレーでもHCG注射でも、卵子の成熟は可能なのですが、稀にそのLHサージを十分におこせずに、卵子がとれないこともあるのです。
対策としては、製造日の異なるロットのHCG注射を2本使用する、HCG注射とGnRHaスプレーの両方(ダブルトリガー)を採用する、などがあり得るのですね。

2)産後、AMHが半年でAMH<0.1と低下しての妊娠例
産後、社会の体外受精時には、AMHは0.57でしたが、半年後にはAMH<0.1となってしまいました。初回は5個採卵、2回目はクロミッドで1個採卵、3回目は自然周期で1個採卵。
凍結精子を使用しましたが、顕微授精ではなく通常の体外受精で受精し胚移植して妊娠、卒業されました。
半年で急速にAMHは低下しうること、凍結精子でも精子の状態が良ければ通常の体外受精でも受精する、などが特記事項だとおもいご紹介致しました。