高橋先生のブログ

不育症Up to Dateシリーズ(1)雑誌「産科と婦人科」より

「産科と婦人科」の雑誌で、「不育症Up to Date」の特集をしていました。今回、一通りの勉強をして、私なりの解釈で皆さんにお伝えしたいと思います。
さて、どこまで続けられるでしょうか?私の覚え書き程度とお考え下さい。

不育症総論

1.不育症の定義  厚労省でも、アメリカ生殖医学会でも、現在では、「一般的には2回連続した流産・死産があれば不育症と診断し、原因を探索する。」となっています。
ただし、「連続していること」「子宮内に胎嚢が認められた臨床的妊娠」である必要があります。

一方、習慣流産は3回以上の連続した流産を認める場合に使用されます。

今では、2回流産が連続すれば、不育症の検査をしても良いのです。


2.一般的な流産率:
30~34歳;15%    35~39歳;25%    40~44歳;51%    45歳以上;93%

40歳以上ですと、流産率は50%を超えるのですね。この主原因は、女性の年齢です。


3.不育症のリスク因子

子宮形態異常;7.8%      甲状腺機能異常;6.8%    染色体構造異常;4.6%
抗リン脂質抗体陽性;10.2%    第12因子欠乏;7.2%   プロテインS欠乏症;7.4%
プロテインC欠乏症;0.2%   リスク因子不明:65.3%(つまり、偶然おきた胎児の染色体異常が流産の原因として多い、ともいえる)

不育症の検査をして、異常が見つかるのは35%程度。
ただし、この検査で異常が見つかっても、今までの流産がすべてその異常を示した原因によるとは限りません。「流産で最も多いのは、偶然おきた胎児の染色体異常」なのです。

始まりは本日ここまで。
今後は少しずつ整理していきましょう。