高橋先生のブログ

風疹の単独ワクチンはひょっとして手に入るの?

最近、麻疹感染者が増えたために、麻疹ワクチン、実際には、風疹と麻疹の混合ワクチンのMRワクチンが手に入らなくなりました。
薬品の卸業者にお願いしても、小児への接種が優先とされているため、成人向けのMRワクチンは供給できないそうです。
風疹ワクチンが必要な方に、MRワクチンが打てなくて困ったな、と思っていたら、、、、


不妊症患者さんには、風疹ワクチン接種や風疹抗体の有無がよくわからない方には、風疹抗体の血液検査をお勧めしています。
その結果は以下のような結果でした。熊耳先生お疲れ様でした。10月1日(土)の千葉県リプロダクション研究会での報告データの一部です。
男女それぞれ、およそ1,000人の方に 風疹抗体検査をおこなったところ、通常、女性は風疹ワクチンを小中学校で受けているはずなのですが、検査をしてみると、女性では5%の方が、全く風疹抗体がなく、10%の方は風疹抗体価が16倍以下と低かったのです。厚生労働省からは16倍以下の方には、再感染予防のために風疹抗体ワクチンの接種が勧告されています。東京オリンピックまでには、風疹を完全に抑えておきたいと考えている、との噂です。
男性は風疹ワクチンが接種されていなかったので、17%の方が風疹抗体がなく、6%の方は抗体価が低いとの結果でした。男性は、検査をした方の4~5人にひとりは、風疹ワクチンが必要な状況でした。
このような状況に対して、麻疹対策も含めて、風疹ワクチン単独使用よりも、麻疹も含めて、MRワクチンの接種が推奨されていた中での、今回の麻疹感染騒動だったのです。
MRワクチンが推奨されていたのは、その意味では先見の明があった、とも言えますでしょうか。
ただ、その騒動以降は、全くMRワクチンが手に入りません。いつはいってくるかもわからない状況なのです。






こんな中で、ふと気づいて、業者さんに聞いてみました。
             風疹の単独ワクチンはひょっとして手に入るの?

なんと! 風疹の単独ワクチンは残っているのだそうです。
MRワクチンは、麻疹の流行で一時的に品薄ですが、風疹の単独ワクチンはありました。
気づいてみると、当たり前なのかもしれませんが、今まではMRワクチンが当たり前になっていたので、思い込んでいたのですね。
風疹は、妊娠中に感染すると、赤ちゃんに先天性の奇形や異常がおこるので、妊娠前に抗体がある事を確認するか、ワクチンをうっておく必要があるのですね。

一方、麻疹「はしか」は、

「風疹」と異なり、妊娠中にかかっても、お腹の赤ちゃんに先天性の奇形がおこることは少ないとされます。
しかし、妊娠中に感染すると高熱や肺炎などのストレスもあり、「流産」や「早産」のリスクが高くなります。はしかにかかった妊婦さんの約30%が流早産になるとの報告もあるそうです。
はしかを予防するためには、抗体検査をして、抗体がなければワクチンを接種する必要があります。しかし、妊娠中はワクチンを接種することができません。また、赤ちゃんへの影響を避けるために、接種後2か月間は避妊が必要です。
やはり、妊娠を希望する女性は、早めに抗体検査やワクチンの接種を済ませておくことが大切ですね。