生殖医学会2016参加報告 生殖医療専門医講習会より
11月3日、4日日本生殖医学会が横浜で開催されました。
参加報告致します。
今回は、生殖医療従事者講習会での内容です。
つまり、生殖医療専門医の先生方の勉強会講習です。
したがって、学会の考え方を基本的に示しています。
ARTでの
Ⅰ)採卵に際しての合併症
1)膣壁出血 100mlを超える出血 0.8%
2)腹腔内出血 ①採卵から24時間での腹腔内出血量 平均230ml
②重篤な腹腔内出血 0.06~0.2% 止血のための手術の可能性もある
3)骨盤内感染症
①0.3~0.6%
②卵巣膿瘍(0.2~0.3%)
Ⅱ)妊娠に伴う合併症
1)異所性妊娠(子宮外妊娠)
自然妊娠の2.5~5倍 妊娠あたり1.5~1.9%
単一胚移植時では、1.4%
①自然妊娠より発症率が上昇
②胚盤胞より初期胚移植で上昇
③凍結胚より新鮮胚移植で上昇
2)多胎妊娠
1個移植でも一卵性双胎が上昇する
自然妊娠 0.4%
ART 0.9%
胚盤胞移植 1.9%
Ⅲ) ARTが児に与える影響
1)先天異常 (つまり奇形が1~2%発生する)
IVF 1.21%
ICSI 1.68%
凍結胚移植 1.47%
一般 1.7~1.9% つまり、一般よりもARTでの奇形は少ないかも。
2)染色体異常
0.5~2.9%
Ⅳ)排卵誘発法
1)ロング法 スケジュールの調節性に優れる
卵胞数20以上、E2>3000では、OHSS重症化の予防策必要(全胚凍結も)
2)HMGアンタゴニスト法
ロング法と比較して、妊娠率・出産率が低い (アンタゴ法より、ロング法が妊娠率高い)
アンタゴ法は、OHSS発症率は低い(半減)
Ⅴ)採取卵について
1)採卵率 約77% つまり、10個刺して、平均7~8個採卵
2)卵子成熟率 ロング・アンタゴニスト法 約85%
クロミッド法 約75%
未熟卵の割合が、採取卵の25%以上症例では、低妊娠率
MI卵子は4.5時間の培養で、46%がMⅡになる。
Ⅵ) 採精
精液検査では、 2~7日間の禁欲
ARTでは、禁欲期間は短いほど良い
Ⅶ) IVFの受精障害
完全受精障害 5~15%におこる 再発率30~40%
低受精率 35%以下との定義が多い
Ⅷ) 顕微授精(ICSI)
ICSIが有利とは言えない例
① 非男性因子ケース 精子が良いのに、ICSIでは妊娠率は上昇しない
② 高齢夫人 卵子の質の低下は、ICSIでは補えない
③ 少数卵子ケース 卵子が1~2個では、ICSIの理由は低下する
「卵子が少ないから顕微授精をする」というのは、学会でも有効とは考えていないのですね。
また、胚盤胞発生率は、ICSIは体外受精よりも低い。 顕微授精では良好にはならない。
顕微授精は、受精させる技術であり、妊娠率を上げる技術ではないのですね。
この点は誤解ないようご注意下さい。
上の写真は、2次会での写真です。アリバイはしっかりと保管しました。
参加報告致します。
今回は、生殖医療従事者講習会での内容です。
つまり、生殖医療専門医の先生方の勉強会講習です。
したがって、学会の考え方を基本的に示しています。
ARTでの
Ⅰ)採卵に際しての合併症
1)膣壁出血 100mlを超える出血 0.8%
2)腹腔内出血 ①採卵から24時間での腹腔内出血量 平均230ml
②重篤な腹腔内出血 0.06~0.2% 止血のための手術の可能性もある
3)骨盤内感染症
①0.3~0.6%
②卵巣膿瘍(0.2~0.3%)
Ⅱ)妊娠に伴う合併症
1)異所性妊娠(子宮外妊娠)
自然妊娠の2.5~5倍 妊娠あたり1.5~1.9%
単一胚移植時では、1.4%
①自然妊娠より発症率が上昇
②胚盤胞より初期胚移植で上昇
③凍結胚より新鮮胚移植で上昇
2)多胎妊娠
1個移植でも一卵性双胎が上昇する
自然妊娠 0.4%
ART 0.9%
胚盤胞移植 1.9%
Ⅲ) ARTが児に与える影響
1)先天異常 (つまり奇形が1~2%発生する)
IVF 1.21%
ICSI 1.68%
凍結胚移植 1.47%
一般 1.7~1.9% つまり、一般よりもARTでの奇形は少ないかも。
2)染色体異常
0.5~2.9%
Ⅳ)排卵誘発法
1)ロング法 スケジュールの調節性に優れる
卵胞数20以上、E2>3000では、OHSS重症化の予防策必要(全胚凍結も)
2)HMGアンタゴニスト法
ロング法と比較して、妊娠率・出産率が低い (アンタゴ法より、ロング法が妊娠率高い)
アンタゴ法は、OHSS発症率は低い(半減)
Ⅴ)採取卵について
1)採卵率 約77% つまり、10個刺して、平均7~8個採卵
2)卵子成熟率 ロング・アンタゴニスト法 約85%
クロミッド法 約75%
未熟卵の割合が、採取卵の25%以上症例では、低妊娠率
MI卵子は4.5時間の培養で、46%がMⅡになる。
Ⅵ) 採精
精液検査では、 2~7日間の禁欲
ARTでは、禁欲期間は短いほど良い
Ⅶ) IVFの受精障害
完全受精障害 5~15%におこる 再発率30~40%
低受精率 35%以下との定義が多い
Ⅷ) 顕微授精(ICSI)
ICSIが有利とは言えない例
① 非男性因子ケース 精子が良いのに、ICSIでは妊娠率は上昇しない
② 高齢夫人 卵子の質の低下は、ICSIでは補えない
③ 少数卵子ケース 卵子が1~2個では、ICSIの理由は低下する
「卵子が少ないから顕微授精をする」というのは、学会でも有効とは考えていないのですね。
また、胚盤胞発生率は、ICSIは体外受精よりも低い。 顕微授精では良好にはならない。
顕微授精は、受精させる技術であり、妊娠率を上げる技術ではないのですね。
この点は誤解ないようご注意下さい。
上の写真は、2次会での写真です。アリバイはしっかりと保管しました。