子宮に問題があった方の妊娠例:その1(中隔子宮)
子宮に問題(中隔子宮・重複子宮)のあった方がお二人卒業されましたので、ご紹介致します。
その1)中隔子宮、AMH<0.1、30代後半、2回流産。
前医で、体外受精を2回受けており、自然妊娠と体外受精で1回ずつ流産していました。
採血上、来院時はAMH<0.1で卵巣機能はかなり低下しています。不育症の血液検査では、特に問題ありませんでしたが、HSG(写真)、MRIでは、中隔子宮の診断となりました。
ご本人と相談し、子宮中隔を切断することとし、当クリニックで、「子宮鏡下子宮中隔切除術」の日帰り手術を施行。
その後は、2回自然周期で体外受精するも、胚の正常発育なく移植できず。
3回目はHMG注射で誘発し、7個採卵、胚移植するも妊娠せず。
4回目、レトロゾ-ル周期で2個採卵、胚移植するも妊娠せず。
5回目、HMG-アンタゴニスト法で4個採卵・胚移植。今回妊娠し卒業。
前回から10ヶ月後のAMHは0.52だった。
この方の参考事項は?
①不育症の検査では、血液検査だけではなく、子宮の形も合わせて検査をする必要があります。これは、HSG、子宮鏡、MRI、超音波検査でおこなわれますが、不育症の基本的な検査なのです。
②一方、中隔子宮は、不妊症の原因ではありません。中隔子宮があっても、不妊症治療としては手術の必要は通常はないのです。今回は、流産が2回続いたので、不育症の治療としての中隔切除をおこなったのですね。子宮中隔を手術すると妊娠しやすくなるわけではないので、手術については、その目的を明確にしておく必要があるのです。
③現在では、中隔子宮も、日帰りで手術できるようになっているのですね。20分程度で可能です。
④AMH<0.1でも、卵胞が4~5個とれることがあります。その理由は、今回のようにAMH自体も、検査のばらつきがあります。AMH<0.1であっても、1個しか採卵できない、とは決まっていないのですね。また、人はいつでも同じ状態、ではないので、AMH<0.1であっても、複数個とれることもしばしばあるのです。ご自身の体の状態を、固定的に決めつけないで、治療をおこなうことも必要ですね。
その1)中隔子宮、AMH<0.1、30代後半、2回流産。
前医で、体外受精を2回受けており、自然妊娠と体外受精で1回ずつ流産していました。
採血上、来院時はAMH<0.1で卵巣機能はかなり低下しています。不育症の血液検査では、特に問題ありませんでしたが、HSG(写真)、MRIでは、中隔子宮の診断となりました。
ご本人と相談し、子宮中隔を切断することとし、当クリニックで、「子宮鏡下子宮中隔切除術」の日帰り手術を施行。
その後は、2回自然周期で体外受精するも、胚の正常発育なく移植できず。
3回目はHMG注射で誘発し、7個採卵、胚移植するも妊娠せず。
4回目、レトロゾ-ル周期で2個採卵、胚移植するも妊娠せず。
5回目、HMG-アンタゴニスト法で4個採卵・胚移植。今回妊娠し卒業。
前回から10ヶ月後のAMHは0.52だった。
この方の参考事項は?
①不育症の検査では、血液検査だけではなく、子宮の形も合わせて検査をする必要があります。これは、HSG、子宮鏡、MRI、超音波検査でおこなわれますが、不育症の基本的な検査なのです。
②一方、中隔子宮は、不妊症の原因ではありません。中隔子宮があっても、不妊症治療としては手術の必要は通常はないのです。今回は、流産が2回続いたので、不育症の治療としての中隔切除をおこなったのですね。子宮中隔を手術すると妊娠しやすくなるわけではないので、手術については、その目的を明確にしておく必要があるのです。
③現在では、中隔子宮も、日帰りで手術できるようになっているのですね。20分程度で可能です。
④AMH<0.1でも、卵胞が4~5個とれることがあります。その理由は、今回のようにAMH自体も、検査のばらつきがあります。AMH<0.1であっても、1個しか採卵できない、とは決まっていないのですね。また、人はいつでも同じ状態、ではないので、AMH<0.1であっても、複数個とれることもしばしばあるのです。ご自身の体の状態を、固定的に決めつけないで、治療をおこなうことも必要ですね。