高橋先生のブログ

不妊治療の保険適応について(概略)

4月から、不妊治療の保険適応について、保険診療の適応や点数を決める、中医協の資料の抜粋が入手できました。
具体的な点数はまだ決まっていませんが、概略をご報告致します。

1)人工授精が保険で可能になります。ただし、単に精液を注入するのではなく、洗浄・濃縮などの前処置が必要になるようです。

2)生殖補助医療の保険適応の対象
 治療開始日に、女性が43歳未満である場合に限られます。   つまり、治療開始日に43才以上の方は保険対象ではないのです。
 
3)アンチミューラリアンホルモンが、保険で検査(6ヶ月に1回)できます。   現在は自費検査 

4)採卵術の、採卵個数により 保険点数が異なる
   ①1個   ②2~5個   ③6~9個   ④10個以上  により保険点数が異なります

5)排卵誘発剤は、別に算定する。

6)授精法の保険点数
  ① 体外受精(ふりかけ法)   1種類の点数  個数によらない  
  ② 顕微授精  個数により異なる  1個  2~5個  6~9個  10個以上
  ③ スプリット法は、ふりかけ法の何分のⅠ費用と、顕微授精の費用が必要
  ④ TESEーICSI は追加費用が必要

7)卵子調整加算 保険でできる (カルシウムイオノファーなど?)

8)受精卵・胚培養費
    ① 1個   ②2~5個   ③6~9個   ④10個以上

9)凍結保存料   凍結個数により料金異なる
   導入費   ① 1個   ②2~5個   ③6~9個   ④10個以上
   維持管理費   1種類の費用 1年ごと  3年が限度

10)胚移植費
    新鮮胚移植
    凍結・融解胚移植    値段が異なる

11)胚移植    アシステッドハッチング
          高濃度ヒアルロン酸含有培養液


男性不妊治療
  
12)Y染色体微小血栓検査   (DAZ遺伝子欠損)   従来は自費

13)精巣内精子採取法(TESE)
      単純なもの        顕微鏡下手術   で費用異なる

人工授精と体外受精・顕微授精の、不妊治療の中心的なものは、かなりの項目が保険診療化されます。
アンチミューラリアンホルモン、重度の男性不妊の方の遺伝診断も保険に入るようです。
なお、ネットでは、バイアグラの保険化なども出ています。
今回はしっかりとした文書でのものでした。
ネット情報は、今後、確認が取れればまたお知らせ致します。
良い方向になることを希望しています。