高橋先生のブログ

社会的卵子凍結について、日刊ゲンダイの取材を受けました

6月2日(水)発行の日刊ゲンダイの取材を受けました。内容は「社会的卵子凍結」についてです。
きっかけは、タレントの「だいたひかる」さん(46歳)が乳がんの治療後に、40歳時に凍結保存していた受精卵を移植して妊娠した、とブログで公表したことです。
実際には、だいたさんの場合は、医学的な凍結保存であり、社会的な適応ではないのでが、今回は社会的な卵子凍結についてでした。当クリニックではがん患者さんなどへの医学的な卵子凍結はおこなっていますが、社会的な卵子凍結はまだおこなっていないので、今回は一般論としての取材への回答でした。
限られた紙面では、記事の内容は、全体的な紹介としてはまとまっている内容でした。採取の費用が40万円程度で、保存費用もかかります。一方、40才以上の方の卵子凍結は、成績があまり良くないので、実際にはそれ以前での凍結保存が推奨されます。この年齢は非常に微妙ですね。パートナーがいる方は実際には妊娠をすぐに考えた方が良いのですし、受精卵を凍結した方が良いのです。
一方、40才を超えると卵子凍結を考える方も少なくありませんが、その時点では成績としては低下しているのです。社会的な卵子凍結は、選択肢が増えるという意味では女性には良いことだと思います。しかし、社会的な適応での凍結卵子を実際に使う方は、現実的にはまだ多くはないようです。社会的な卵子凍結はまだまだ知られてはいないですし、議論しなくてはならない問題も多くあるのです。