高橋先生のブログ

AMH;0.1 悪性リンパ腫の方が妊娠/卒業されました。 

先日、30歳代後半、AMH;0.1 悪性リンパ腫治療の後の方が、妊娠,卒業されましたので、皆さんの参考になると思いご紹介致します。
この方は、悪性リンパ腫で抗がん剤治療後で来院されました。治療の影響か、AMHは0.1とかなり低くなっていました。その他の検査では、DHEAsが153と低下、ビタミンD 7.0と低値、でした。
かなり急ぐ必要があり、来院翌月には、自然周期で1個の卵胞があり、すぐに採卵の決断となりました。精子の状態も不良であったので、採卵し、顕微授精を施行。翌日は前核1個でしたが、培養を継続し、胚盤胞になり凍結保存しました。
翌月、ホルモン補充周期で胚移植し、妊娠、心拍確認され、卒業となりました。来院から卒業まで3ヶ月足らずの超スピード治療でした。
この方は、AMHが低いため、体外受精の決断も早く、1個の卵胞でも採卵挑戦となりました。
妊娠の確認は、2前核が認められれば正常受精とされますが、前核0や、1前核でも、異常受精ともいえないのですね。当クリニックでは胚盤胞まで分割が進んだ胚は、ご本人の了解の元に移植しています。報告でも、0前核、1前核は正常胚も含まれると報告されています。当クリニックではこのような胚の移植で今までに50人程度の方は出産されていますが、特別な問題はありません。胚が沢山ある場合には、このような胚は最後に移植すると思いますが、現在では他施設でも移植する事が少なくないのですね。
今後も順調に経過して、無事に出産されることを祈るばかりです。