高橋先生のブログ

5回開腹手術後の自然妊娠

30歳代前半の方が5回開腹手術後に、自然妊娠し、卒業されました。

この方は、腸の疾患、感染などで、5回の開腹手術を受けていたのです。

超音波検査では、片側の卵巣周辺には、癒着で水が溜まっていました。また、反対側の卵管の周辺の癒着も疑われました。

子宮卵管造影検査もおこなったのですが、卵管は両側とも開通はしていたものの、その状態は悲観的なものでした。

したがって、方針としては、体外受精を3ヶ月後に予定したのです。

ところが、子宮卵管造影検査の2回目の排卵周期で、なんと自然妊娠し、そして今回卒業となったのです。

これには私も少し驚きました。5回の開腹手術では、通常は卵管にはあまり期待はできないのです。

しかし、今回、子宮卵管造影検査をおこなったことが、今回の結果につながったのでしょう。

「体外受精のみに治療を決めつけるのではなく、可能性を少しでも広げるように治療方針を考えていきましょう。」といつも私は言っているのですが、私自身で、この言葉を再度かみしめなくてはならないと感じた例でした。