高橋先生のブログ

44歳、妊娠/卒業例(体外受精)

44才での、妊娠/卒業例をご紹介致します。

この方は、42才で来院。9cmの子宮筋腫切除術の経験があります。

年齢を考えて治療を急ぐ必要があるので、子宮鏡、卵管造影検査、慢性子宮内膜炎、ビタミンC、D、DHEAs、亜鉛、銅、などの特殊な検査もおこないました。

そして、子宮内膜ポリープにはポリープ切除術。慢性子宮内膜炎にはビブラマイシン投与。ビタミンC,D、DHEAs低下、亜鉛・貯蔵鉄低下、には、アシストワン、DHEAサプリ、亜鉛、鉄剤、などの対処を全ておこないました。AMH=1.73(40才相当)と卵巣機能は比較的維持されていました。

1)初回採卵3個 2個受精 1個初期胚凍結  その後胚移植し妊娠せず

2)採卵5個 3個受精 1個新鮮胚移植妊娠せず。 凍結胚なし

その後、抗酸化作用の強いメラトニンも追加使用

3)採卵8個 7個受精 1個新鮮胚移植 1個胚盤胞凍結  その後、凍結胚盤胞(CC)移植するも妊娠せず

4)採卵2個  分割せず キャンセル

レスベラトロールも追加

5)採卵3個 3個受精 1個新鮮胚移植するも妊娠せず  胚盤胞1個保存  その後、凍結胚盤胞(AA)移植して化学的妊娠

6)採卵5個 5個受精 1個新鮮胚移植するも妊娠せず  胚盤胞1個保存  その後、凍結胚盤(CB)胞移植し、妊娠卒業。

この方は、採卵するにつれて、徐々に胚盤胞もでき、妊娠/卒業になりました。このように、年齢が高く急ぐ場合には、まずは検査を全ておこなって、対策をもれなくすること、サプリメントも積極的に使用してもよいかもしれませんね。総力戦なのですね。

ただ、この方は幸運です。44才の方の体外受精の妊娠率は5%程度で、流産率は70%程度です。最重要は女性の年齢ですので、急ぐ事が最も効果的な治療法なのでしょう。