高橋先生のブログ

前医で8回採卵、6回胚移植(胚盤胞なし)からの妊娠・卒業

33才、前医で8回採卵、6回胚移植して妊娠せず来院。1個も胚盤胞が得られなかった方です。

体重は45kg(BMI=18とヤセ)。諸検査で、ビタミンD,、亜鉛、DHEAsの低下、コレステロール低値、タンパク不足、筋肉不足も疑われました。

対策として、亜鉛、DHEA、ビタミンDを使用し、タンパク質と良質の油、脂質、カロリーもとって、体重の適正化も計画しました。

慢性子宮内膜炎、子宮内フローラは正常、子宮鏡、子宮卵管造影検査も正常。卵管や子宮内環境は問題ない結果でした。

体重も3kg増え、薬剤・サプリメントなどを使用して4ヶ月後に、採卵を開始ししました。

採卵1回目  7個採卵 6個受精 3個胚盤胞/2個初期胚 凍結

採卵2回目  3個採卵 2個新鮮初期胚移植 妊娠せず 1個胚盤胞保存

その後、2回目の胚盤胞移植で妊娠/卒業となりました。

この方は、子宮内環境は問題なく、卵子の質の問題があったと思います。

細胞膜はコレステロールでできています。やせ過ぎ、低コレステロールは卵子の質が低下する可能性があるのです。

当クリニックでは、痩せすぎており、コレステロールが低めの方には、タンパク質と良質の油・脂質を積極的にとるように管理栄養士からもアドバイスしています。

今回、体重の適正化と、タンパク、脂質の摂取で、胚盤胞が始めて得る事ができました。

コレステロールの目標は、現在の正常値と言われている上限かやや高めぐらいがアンチエイジング的には良いとされる意見もあるのですね。

低コレステロールは良くないのです。高齢の方は、低コレステロールだと寿命が短くなり(肺炎など)、コレステロール高めの方が寿命が長いという結果なのです。

高すぎるのも良くないのですが、コレステロールは高めが良いのですね。やせ過ぎは妊娠にも良くないのです。栄養もしっかりと考えていきましょう。当クリニックでは、管理栄養士が栄養相談もおこなっていますので、ご利用下さい。ネットでの栄養相談もおこなっています。