高橋先生のブログ

前医で5回胚移植後、慢性子宮内膜炎治療とHSGで自然妊娠

31才、前医で1回採卵、5回胚移植で妊娠せず来院。AMH=1.81(39才相当)と治療を急ぐ必要がありました。

諸検査により、慢性子宮内膜炎(CD138 =18個/20視野)を認めました。HSGもおこなっています。

まずビブラマイシンを投与しましたが、治療効果なく、次にフラジールとシプロキサンの2剤を投与しました。その結果、CD138が0となり慢性子宮内膜炎は治癒しました。

その治癒確認をした翌周期に、自然妊娠となったのです。ただ、この妊娠は妊娠7週で流産となりました。

しかし、その3ヶ月後に、当クリニックの初回の胚盤胞移植で妊娠し、そして卒業されました。

流産とはなりましたが、体外受精で妊娠しない場合には、慢性子宮内膜炎の検査と、基本的な卵管造影検査も重要である事を示しています。

また、1回目の胚移植で妊娠しているので、慢性子宮内膜炎の治癒確認もしっかり検査するのも重要ですね。慢性子宮内膜炎は、必ずしも1回の抗生物質の投与で改善しないこともしばしばあります。3種類目の抗生剤の投与も必要とする方も時々いらっしゃいます。時間がかかりますがこの場合にはしっかりと治療する必要もあります。