高橋先生のブログ

AMHが1未満でも、約20個採卵出来た症例

35才で来院された方ですが、AMHを2回測定しており、0.70と0.91と2回とも1未満でした。FSHは4.05と正常でした。

しかし、排卵誘発をして採卵したところ、1回目21個、2回目19個、3回目17個の卵子がとれました。

実際には、HMG注射への反応はあまり良くなく、HMG注射を1日450単位量を使用しても、エストラジオール値は、普通の1/5程度のものでした。

卵胞径がかなり大きくなるまで粘りましたが、大きくなりすぎると採卵しにくくなります。主席卵胞が3cm程度で採卵に持ち込みました。

未熟卵も多く、胚の状態はあまり良好ではなく、3回の採卵で4個の胚盤胞、3個の初期胚が得られました。

そして、何とか3回目の胚移植(ICSI胚)で妊娠、卒業となりました。

AMHは非常に有用ですが、どうも絶対的なものではないようですね。生理中の小卵胞数も、どれだけ採卵出来るかの指標としては有用なのです。実際の診療では、今回のように一つの指標で予測や断定はできないという、1例でした。