高橋先生のブログ

不妊治療の前に知っておいて頂きたいこと!?妊娠中の死亡年間40人と予防策とは?

医療関係者でのネットで見た内容から

妊娠、出産関連で、年間40~50人が死亡していることは、皆さんご存じでしょうか?
これは世界的には、最も低い死亡率なのです。世界では、未だに妊娠/出産は命がけの地域も少なくないのですね。

今回、日本での妊産婦死亡のなかで、不妊治療後の方の死亡例も含まれていたとの報告がありました。
非常に胸が痛むことでもありましたので、ご紹介致します。



妊産婦死亡症例検討評価委員会の調査で、2013~15年に亡くなった140人のうち5人が不妊治療で妊娠後、持病の不整脈高血圧などが悪化し、死亡していたことが分かった。

国内の出生数は年間約100万人ですが、前日のニュースでは2016年はじめて出生数が100万人を割り込んだそうです。
 妊婦死亡では、100万人中年間40~50人の妊産婦が亡くなっていますが、実際には、世界で最も妊婦死亡率が少ないグループにある日本の誇りなのです。


  委員会では重い持病があって不妊治療をする場合、妊娠しても安全かどうか「妊娠前相談」をすることを、今夏に発表する「母体安全への提言2016」に盛り込むそうです。

これは、われわれも日常感じていることです。

不妊治療の目的は、「妊娠する」ことではなく、母児共に無事に出産が済むことなのですね。

そのためには、妊娠前から、血圧、糖尿病、などにも注意が必要ですね。


不妊治療医にとっては、その妊娠後にハイリスク妊娠を引き受けてくれる提携クリニックは、とても有り難いことなのです。

しかし、ハイリスク妊娠を受けとる産科医は大変で、
その妊婦を受けてる先生からは、以下のような意見もありました。
われわれにとっては、とても胸が痛むものです。

「40歳を超えていて、血圧が200/130mmHgの妊婦さんが紹介されてきたが、結局、母体の安全を考えて中絶になった。
 多発子宮筋腫の高齢女性に、胚移植を2つして双胎になって、よろしくって紹介してきます。18週ぐらいから筋腫の変性による炎症が強くなって、結局子宮収縮がコントロールできなくなり、25週で帝王切開になりました。脳性麻痺のお子さん2人の母となるわけです。」

このような悲劇が起こらないように

高血圧、糖尿病、心臓疾患、不整脈、などの基礎疾患は、不妊治療開始前に、
しっかりと対応する必要がありますね。 

原疾患、合併症の 場合には、原疾患治療目的に今通院している医師に、妊娠許可の紹介状を書いて頂けると助かりますね。
血糖の高い方、糖尿病傾向の方では、肥満の方はすぐにやせていきましょう。
高血圧の方は、減量して、塩分を控えて、降圧剤を使用して下さい。

妊娠しても、出産までには、様々な困難があるのです。
妊娠を目指す不妊治療でも、その後の出産までを考慮した治療法が必要なのです。
体外受精をすれば良い、のではなく、しっかりと妊娠前から全身状態から管理していきましょう。