症例ご紹介 44才、糖尿病合併の方の妊娠・卒業
44才の方が先日、妊娠・卒業されました。この年齢での妊娠・卒業はかなり少ないのでご紹介致します。
この方は糖尿病でインスリン注射を受けていました。幸いに、AMHは4.19と30才相当の卵巣機能の状態で、20個採卵(HMG-アンタゴニスト法)出来ました。顕微授精を18個におこない、最終的に胚盤胞3個、初期胚2個を凍結保存しました。その後、胚盤胞を3回移植するも妊娠せず、最後に残った2個の初期胚(4細胞)2個移植して妊娠されたのです。
40才を超えると、妊娠するかどうかは、胚の問題が7割程度と卵の方が問題なのですが、そのほとんどが胚の染色体異常の問題なのです。また初期胚でも妊娠する可能性はあるのですね。
この方には、インスリンのみでは血糖が不安定だったので、メトホルミンも併用しました。血糖コントロールはとても重要なのです。幸いに卵子がたくさんとれたので移植する事もできました。かなり幸運だと思います。今後も順調に経過する事を祈るばかりです。