高橋先生のブログ

単角子宮、抗精子抗体陽性の方の出産報告

最近、単角子宮、卵管閉塞、抗精子抗体陽性の方が、出産されたことの報告と、お二人目を希望されて凍結胚移植にいらっしゃいました。

この方は、抗精子抗体や卵管造影検査も受けずにクロミフェン、クロミフェン-AIH6回、を2年間受けていましたし、その後体外受精での採卵を2回、胚移植を4回受けていらっしゃいました。(妊娠歴なし)

当クリニックでは、状態を再評価するために一通りの検査をおこなったところ、
1)単角子宮
2)卵管閉塞
3)抗精子抗体陽性
が新たに判明しました。

以上を踏まえて、
方針は
1)治療は体外受精
2)単角子宮であるので、胚移植は1個ずつ(前医では2個移植の時もありました)
としました。

治療と結果は
1)ロング法で排卵誘発し、8個の採卵、1個胚移植、3個胚盤胞凍結。妊娠するも8週で流産。
2)凍結胚盤胞移植し、帝王切開で出産。

単角子宮の流産率は、およそ50%程度と高くなります。これは手術で治療は出来ません。したがって、妊娠を繰り返すのみとなります。
ただ、流産率は高いのですが、単角子宮を知らないままに、妊娠出産されている方もかなり多いのです。単角子宮でも、諦めずにがんばっていきましょう。
一方、単角子宮で多胎になると、早産の可能性が高くなると考えられますので、体外受精では胚移植数は、1個にすべきでしょう。

やはり、不妊治療、体外受精前には、しっかりとした検査を受ける必要があると考えさせられた例です。