高橋先生のブログ

抗精子抗体(精子不動化抗体)陽性での自然妊娠例

皆さんは、抗精子抗体(精子不動化抗体)が陽性の場合には、自然妊娠や人工授精での妊娠は不可能で、体外受精しかないとお考えでないでしょうか。
一般的には、その考えで間違いではありません。しかし、抗体は、その量・強さに変動があり、一定ではないのです。
したがって、高値体価が低いときには、自然妊娠や人工受精での妊娠もあり得るのです。
今回の方は、40歳、精子不動化抗体の抗体価は3.1と、低値~中等の値でした。子宮内膜ポリープもあったので、ポリープを切除し、卵管造影検査もおこなっていました。AMHは0.28と低く、条件も良くはなかったのですが、自然妊娠されたのです。
今回は7週まで心拍を認めたものの、残念ながら9週で流産という結果でした。

「抗精子抗体陽性=体外受精」は間違いではないのですが、今回のように自然妊娠する可能性もあることを皆さんにご紹介致します。