高橋先生のブログ

46歳の体外受精妊娠例(記録の更新と更なる葛藤)

シーズン記録更新となる、46歳の方が体外受精で妊娠反応がでました。
非常にうれしい結果であり、年明けの様々な改良・改善の効果が現れているのかもしれません。
まだ妊娠反応が出たばかりですが、今後の良好な経過を願うばかりです。
この方は、44歳から体外受精を開始し、採卵挑戦12回目、胚移植5回目での妊娠でした。
今回はクロミフェン-HMGで3個の採卵、1個のみ正常受精で、採卵2日目に1個胚移植し妊娠反応が陽性となったのです。DHEAは使用していました。

この方の卵巣機能はAMH<0.1であり低下状態でした。この方には、8回目の採卵施行後、胚移植出来なかったときには、昨年には「限界である」ことのお話をすでにしていたのです。その方が今回妊娠されたのです。
43歳以上の方のデータを示せば、妊娠の可能性がかなり低いことの説明は出来るでしょう。しかし、今年に入って、高齢の方の妊娠例を目にすると、個々人に対しては「限界である」との説明をすることは困難であると最近感じています。
治療の限界については、単純に、年齢のみ、AMHのみでは決められません。新しい基準の検討が必要でしょう。更なる葛藤が始まりました。皆さんも一緒に考えてみて下さい。