高橋先生のブログ

卵巣機能低下に対する対処法 日本IVF学会参加報告(1)

本日、日本IVF学会に参加してきました。
今回は、「AgingとART」という非常に興味のある内容です。
特に、卵巣機能の低下に対する対処法についての、様々な先生方の工夫が勉強になりました。



非常にすっきりした話題として「アンチエイジングと不妊治療は同一線上にある」と、明言した講演を聴き、当クリニックでも進めている方向性が間違いでないことを確信しました。
特に、食後血糖と妊娠率、アンチエイジング(不妊・加齢・癌・美肌は、同じ原因なのです)は密接に関連しています。採卵数の少ない方、卵子の質の良くない方は積極的に糖負荷検査やコレステロールの検査などをお勧め致します。糖尿病の薬も積極的に使用しても良いようです。

<豆知識>
通常は、卵子の99.9%は閉鎖し排卵まで行くのは0.1%以下です。卵子の有効利用を考えましょう。「自然排卵が最も良い」とは限りません。出来るだけ若いうちの卵子を利用・保存しておくことも有効な選択肢と考えては如何でしょうか。
最終妊娠能力時期と閉経(50歳前後)には、9年程度の差があります。「生理があれば妊娠能力がある」のではありません。
一方、AMH<0.1でも、卵子がないわけではありません。また数千個は残っているのです。「AMH<0.1では妊娠できない」のではなく、「残されている時間は少ないですが、急いで治療しましょう」と考えて下さい。

学会に参加して、新しい知識を仕入れると、今直面している難しい不妊症の方にすぐに試してみようという元気が出ます。
明日からもまた一緒にがんばっていきましょう。