高橋先生のブログ

他院で3回採卵(1回胚移植)後の、HSG後自然妊娠・卒業例

他院で、人工授精3~4回、採卵3回(顕微授精)、ET1回のみ(胚盤胞出来ず)の36才の方です。

治療経過より、当クリニックでも顕微授精の予定でしたが、初診時に卵管造影検査と子宮鏡をおこない、アシストワンも併用しました。

この方は性交渉が月に1~2回でしたので、合わせて性交渉をどんどん持つこともお勧めしています。

そして、HSG2ヶ月後には自然妊娠、そして卒業されました。

いくつかの参考になる点があります。

1)まず、やはり性交渉が多くなければならないですね。

2)この方は顕微授精を受けていました。クルーガーテストが0.5%であったのが理由のようですが、精子濃度や運動率は正常でした。しかし、精液検査はかなりばらつきます。1回の検査で決めつけてはいけないのです。

3)「体外受精の結果が、すべて正しい」のではありません。3回の採卵で、合計11個の卵子が採卵されていたようです。胚盤胞が1個も出来なかったようですが、それでも今回のように自然妊娠する事もあるのです。人間の体はいつも一定、ではないのですね。

4)1年たっていたならば、体外受精の方でも子宮卵管造影検査をする意義は十分あるのです。

女性の一番多い原因は卵管因子です。

最も基本的(つまり最も重要)な治療法は、卵管に対する検査や治療法なのかも知れませんね。