高橋先生のブログ

43才で不妊治療開始し、44才で卒業された例

43才で不妊治療を開始し、44才で妊娠卒業された方をご紹介致します。
この方は卵巣の機能が良く、非常に幸運な方ですが、栄養相談も継続的(9回)に受けて、体重も4kg減量して標準体重にもどすなど、体重管理も積極的に取り組んだ方でした。
この方のAMHは5.26と卵子はかなり残っていましたが、生理は不順で体重も肥満域にあり、多嚢胞性卵巣症候群(PCO)傾向を認めました。
血糖検査では、インスリン抵抗性があり、糖尿病の2歩手前。悪玉コレステロールも高値でした。
血管年齢も55才相当で、採卵時の血圧も154/92と、緊張もあるためか、ストレス時の血圧も高い傾向を認めます。 したがって、インスリンの感受性の改善や、動脈硬化予防のための薬剤、採卵時にはアシストワンやメラトニンなどのサプリメントも使用しました。
一般的にはPCOの方は、卵子は多くとれるのですが、質は良くない方が多いのです。対策としては、減量と、糖代謝異常がある場合にはインスリン感受性改善薬のメトホルミンを使用することもあります。

AMHが高いので、初回は中等度の強さのHMG-アンタゴニスト法をしましたが、あまり反応が見られず、5個採卵で受精せず。
2回目は、ショート法でしっかり誘発し、11個採卵。ICSIでも体外受精でも受精し、2個移植するも妊娠せず。胚盤胞4個保存。
年齢を考えて、3回目の採卵を優先し再度ショート法で16個採卵。ICSIでも体外受精でも受精し、全胚凍結。2個の初期胚と6個の胚盤胞を凍結保存。
その後、2回目の胚盤胞移植で妊娠・卒業されました。
凍結保存胚は10個あります。しっかりと排卵誘発することで、これだけの胚凍結できる方もいらっしゃるのですね。今後は、妊娠中、体重増加に気をつけて、血圧が上がらないように注意されて、順調に経過することを祈るばかりです。

この方はAMHが非常に高く、卵子がたくさん残っていたのが幸いしましたが、
1)体重管理をしっかりされたこと。
2)積極的に、血糖、コレステロール管理をおこなったこと
3)年齢を考慮して、出来るだけ多くの胚を採卵することを優先したこと
4)年齢を考えて、出来るだけ若いときの胚を凍結保存することを優先したこと
などが、参考になると思います。