高橋先生のブログ

卒業例から学ぶ不妊治療(3)重複子宮の方のAIH妊娠・卒業

重複子宮の方が、AIH6回目で妊娠されて妊娠7週で卒業となりました。重複子宮とは、子宮の入り口も2つあり、子宮内腔が完全に分かれてしまっています。したがって、人工授精も、排卵する側の子宮に注入する必要があるのですね。多くの場合、排卵は左右交互に排卵する事が多く、その都度、超音波検査で確認して、排卵側に精子を注入するのです。この方の左右の子宮はほぼ同じ大きさで、ほぼ交互に注入しました。重複子宮や単角子宮(片方しかない)でも、妊娠しにくいわけではありません。体外受精でなくても、人工授精やタイミングでも妊娠可能なのです。問題は、子宮が半分の大きさなので、流産や早産が多くなることなのですね。流産・早産率は約50%といわれます。出産は経膣分娩できることもありますが、通常は帝王切開になることが多いのですね。当クリニックでは、この方のように、重複子宮や単角子宮なのでも多くの方が妊娠・卒業しています。必ずしも珍しくはないのですね。今後も順調に経過して、無事に出産となることを祈るばかりです。