高橋先生のブログ

流産手術や人工妊娠中絶の方法は、D&Cではなく吸引法が良い。

厚生労働省から、 WHO「安全な人工妊娠中絶:保健システムのための技術的及び政策的ガイダンス(第二版)」の周知の連絡がありました。
流産手術や人工妊娠中絶の手術には、D&Cよりも吸引法を推奨する、との内容です。
当クリニックでは、手動式吸引法(MVA)を日本でもいち早く取り入れており、数年前からすべての流産手術でおこなっています。
MVA法で、手術時間も短くなり、術後の痛みの負担も少なくなっています。
たしかにすべての施設で吸引法にするべきですね。
ただし、子宮内膜ポリープの手術は、吸引法ではなく、D&Cがおこなわれることはあると思います。なお、当クリニックでは、ポリープには、TCR(子宮鏡下手術)をおこなっているので、実際にはD&Cは原則おこなわれません。

なお、D&C は、金属製のキュレットを用いて子宮壁を掻爬するものです。
吸引法は、EVA(Electric Vacuum Aspiration:電動式吸引法)及び MVA(Manual Vacuum Aspiration:手動式吸引法)を指します。
D&C による合併症の頻度(発生率)は吸引法の2~3倍高いとされているので、今回の通達になったようです。