高橋先生のブログ

千葉県特定不妊治療費助成事業の拡充の知らせが千葉県から届きました。(1月6日付け)

IMG_1388

千葉県特定不妊治療費助成事業の拡充の知らせが千葉県から届きました。

つまり体外受精への助成金の拡充・増額です。

変更内容の抜粋は以下のごとくです。かなりの拡充と判断しても良いと思います。

1)所得制限は撤廃

以前は、お二人の合算所得の制限がありましたが、これで多くの方が利用できる制度になります。


2)事実婚も助成の対象となりました。

 これは少し驚きました。多様な婚姻関係を政府も認めていると言うことなのですね。
 ただし、「事実婚」の内容は
 ①両人の戸籍謄本で、重婚でないこと
 ②両人の住民票で、同一世帯になっているか、(同一世帯でない場合にはその理由の記載が求められます)
 ③両人の申立書(出生時の認知をすることの確認)
 の確認が必要とされます。事実婚の確認手段としては、適切な基準だと思います。

当クリニックでも、これに沿って事実婚の方への治療を進めたいと思います。


3)助成額は、採卵周期は、2回目以降も、1回30万円    凍結胚移植のみ、採卵中止時は、1回10万円

 2回目以降も30万円の助成金はとても助かりますね。


4)男性不妊の、精巣や精巣上体からの精子採取(TESEなど)へは、1回30万円助成し、2回目以降も助成する


5)助成回数は、1子ごとににカウントする。
 初回の治療開始日が、①女性40歳未満の場合、通算6回まで(1子ごと)
           ②  40歳以上の場合、通算3回まで(1子ごと)
    出産や、妊娠12週以降に死産になった場合にはリセットできる

以前は通算6回まで、だったのが、今回は治療6回までに出産すれば、何回でも利用できるということになります。

出来るだけ多くのお子さんを妊娠/出産できるように、政府も後押ししていると考えて良いのでしょう。

 
なお、これらは、2021年1月以降に治療が終了した治療が対象です。つまり、昨年採卵していて、まだ胚移植していない周期は助成の対象になると言うことですね。ただし、詳しくは市役所・区役所での確認が必要です。


一方、変更がないのは、対象年齢です。
対象は治療開始日が、女性43歳未満の方であって、43歳での初回治療開始の場合は助成されないのですね。
初回体外受精開始が43歳未満ならば、43才以上におこなった治療も助成の対象です。

助成回数だけなら言えば、40歳までに治療を開始したいところです。また、二人目、三人目も考えると、やはり、37~38歳ぐらいには、体外受精も考えても良いと思います。


今はコロナの感染拡大もありますが、感染予防対策をしっかりとりつつ、不妊治療は進めていきましょう。