高橋先生のブログ

中隔子宮の日帰りの子宮中隔切除術後の妊娠・卒業例

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中隔子宮の子宮中隔を日帰り手術で切除して、子宮腔内を整えてから、体外受精をおこない、1回目の胚移植で妊娠/卒業なさった方(30歳)をご紹介致します。

前医で、中隔子宮と多発性の子宮内膜ポリープ、両側卵管閉塞とのことで来院されました。

当クリニックでの子宮卵管造影検査では、確かに中隔子宮と、両側卵管閉塞を認めました。子宮鏡検査でも多発性のポリープを確認しています。(この方は甲状腺疾患もあったので、水溶性の造影剤を使用しているので、画像がやや薄いのです)

クリニックでは、子宮鏡手術を日帰りでおこなっているので、子宮中隔切除と子宮内膜ポリープ切除術を同時におこないました。



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画像は、手術数ヶ月後のものです。中央の中隔は切除され、子宮内腔が整っています。

通常は、逆三角形ですが、これだけ切除されていれば十分なのですね。

子宮鏡で、ポリ-プもきれいになくなっていることを確認しました。

その後、18個採卵し、凍結胚盤胞を1個移植して、1回目で妊娠、卒業となりました。

出産は、手術後の切除部分の筋層は十分残っているので、経膣分娩は可能と思います。


このように体外受精をするにも、その前の準備が必要な方も多いのです。

したがって、体外受精以外の技術・選択肢も合わせて持っていること・提示できることも重要なのですね。