高橋先生のブログ

様々な選択肢シリーズ2 44才双角子宮のAIH妊娠・卒業例

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昨年、44才の双角子宮、AIH妊娠された方が卒業されました。

この方は過去に2回の自然妊娠(流産)をしていた方です。

当クリニックには41才で来院されました。

年齢的には体外受精をお勧めして、AIHを1回した後に採卵となりました。

5個の胚盤胞と2個の初期胚が得られました。しかし、1回の化学的流産の結果しか得られませんでした。

治療側としては、体外受精での妊娠が得られれば早くに妊娠できたのですが、年齢と共に胚の染色体異常が増えます。胚の7割程度が染色体異常となる年齢なので、凍結した胚の1個ぐらいが正常染色体であった可能性が高いのです。

この方は、1年間の治療中断の後、子宮卵管造影検査をおこない、2回目の人工授精で妊娠、卒業となりました。

44才という年齢では、体外受精で赤ちゃんを得られる可能性は1%程度です。人工授精ではもっと低いことになります。

今回はちょっとした奇跡的な例かも知れません。しかし、このような可能性もあるのですね。この方も体外受精のみに限らずに治療の幅を広くとっていたからの妊娠例かも知れません。