高橋先生のブログ

様々な選択肢シリーズ1  採卵3回後のHSGでの自然妊娠

不妊治療には様々な選択肢があります。不妊治療は体外受精のみではありません。体外受精などの生殖補助医療(ART)は最も妊娠率が高く、もちろんこれを中心に治療を組み立てることは良いのですが、体外受精のみに頼る事が最も良い、とも限りません。当クリニックでは、今年から、様々な選択肢がある事を具体例を皆さんにご紹介しつつ、様々な選択肢があることを提案したいと思います。


症例1

36才 他施設でAIH7回、3回の採卵、2回の胚移植を受けていました。

当クリニックには、セカンドオピニオン目的に来院されました。ご本人は自然妊娠の希望もお持ちでした。

当クリニックでは、経過から、体外受精を中心に治療を進めることで良いと思うが、精子も正常であり、卵管造影検査の再検査、ビタミンDの検査、DHEAsの検査もおこないました。対策として、ビタミンD(アシストワン)の摂取、DHEAの摂取、性交渉の回数の増加、を提案しました。その後、体外受精も計画していましたが、卵管造影検査3ヶ月後に自然妊娠して、その後卒業されました。


体外受精をおこなっていても、その合間に自然妊娠や人工授精で妊娠される方も少なくないのです。特に、精子があまり悪くなく、卵管も通っている方はいつでも妊娠する可能性があるのですね。このような検査は1ヶ月で済みます。ポイントは、①はじめから諦めずに再度基本的な検査をする。②性交渉はしっかり持つ。性交渉は多ければ多いほど、体外受精でも人工授精でも妊娠率が高いのです。排卵後も性交渉を持つ方(女性の体が精子と接している方)が、免疫は妊娠維持に働くのですね。

この2つが重要ですが、③ビタミンDも検査と補充をおこなうこともお忘れなく。出産まで継続して下さい。ビタミンDは、免疫にも影響します。(コロナ対策としても重要性が示されています)

可能性を少しでも広げるように治療を進めていくことは大切なのですね。